ざっくり言うと
- 絵本の読み聞かせをする
- 手を使うおもちゃ(折り紙など)で遊ばせる
- 子供とおしゃべりする(電車内などでは小声で話す)
子供が泣いたりぐずった時についついタブレットを与えてYouTubeを見せたり、アプリで遊ばせたりしてしまう方は多いのではないでしょうか。
便利なタブレットですが、親として子供に与える影響というのはやっぱり気になります。なのでこの記事では、タブレットを子供が使用するメリットとデメリット、適切な使い方についてまとめてみました。
目次
タブレットと子供の現状
現代では小さい頃からスマホやタブレットなどの電子機器に慣れてしまい、絵本やおもちゃより手軽に色々なゲームで遊べるタブレットの方が、子供にとって魅力的かもしれません。
子供向けのYouTube動画とか、簡単なゲームアプリなど、子供の好奇心をそそるものはたくさんあるので、小さい頃にタブレットの面白さを覚えさせてしまうと、子供をタブレットから引き離すことはなかなか難しくなりますよね。
知らない間に電話かけられてるのも困りますが、子供の健康面を考えると長時間のタブレット使用はさせたくないのが「親心」というものです。
スティーブ・ジョブズも、わが子には電子機器をなるべく利用しないように制限していました。
では、タブレットが普及する前はどのようなものを子供に与えていたのでしょうか。少し気になったので、タブレット普及前と普及後のぐずり対策を調べてみました。
あとは、お菓子をあげたりでしょうか。今でも絵本やおもちゃで遊びますが、電車の中だと案外すぐ飽きたりします。だからといって、色々なおもちゃを持ち歩くのも大変ですよね。
なので、普段から我が子をよく観察して、「この子が今ドはまりするもの」をチョイスしてお出かけに臨んでいたママさんが多数おられました。
その時の苦労には、感服せざるを得ないですよね。
- タブレットやスマホを与える
- YouTube視聴やアプリゲームで遊ばせる
絵本やおもちゃよりも、持ち運びも便利で遊ぶことだってできちゃうタブレットやスマホを渡しちゃうという方は多いのではないでしょうか。そうしてるうちに、渡さないと子供の方から求めてくるなんてこともありそうです。
一度タブレットの味を占めてしまうと、子供はその面白さを求めてタブレットを探すようになるわけです。
タブレットを求めてぐずってしまっては本末転倒ですね。子供のぐずり対策には、タブレットばかりに偏らずに、絵本やおもちゃも交えながらうまく活用していくことが理想です。
子供に与える身体的影響 ①視力
まず「視力が落ちる原因」というのは、「長時間近い距離を見ていること」なのだそうです。この理由からだと本やノートなどの紙であっても、長時間近い距離を見続けることで視力は落ちてしまいます。
そして視力の低下には、「姿勢の悪さ」も関係してきます。紙でもタブレットでも、集中して何かを読んだり作業したりすると、気づかないうちに猫背になっていることがありますよね。
どうしてもうつむく姿勢になるので、猫背や首猫背になってしまいます。そのような姿勢が悪い状態で近距離を見続けると、目の緊張状態が続いて視力低下につながるのです。
本来、近い場所のピントは合いづらいものなのですが、長い時間近い距離を見るようなことが続くと身体が適応しようとして眼球の形を変化させてしまいます。こうなってしまうとなかなかもとには戻りません。
でも、紙を見ているより画面を見ている方が明らかに目が疲れますよね。その原因はやはり「ブルーライト」です。
視力が少し上がったのは遠くの山を見たからだと断定はできませんが、大切なのは意識して目を休めることですね。
- 遠くの景色を見るなど、なるべく遠くにピントを合わせる
- 植物などの緑を見る
- タブレットから目をそらす機会を多くする
- ブルーライトカットフィルムやメガネ、アプリを利用する
子供を自然の多い公園に連れていったり、高台に連れていって景色を見せたりするのも有効かもしれません。
子供に与える身体的影響 ②体力
タブレットに依存してしまい、身体を動かさなくなれば当然体力はつきません。体力がないとどうなってしまうのでしょうか。
事例としては、転んだ時に瞬時に手を出すことができず、顔や歯を打って大ケガしてしまったり、ちょっとぶつけただけで骨折してしまったりするこがあります。
その他の影響としては、学校の朝礼など立っていなければいけない時にじっと立っていられず、フラフラと動いてしまったり、姿勢が保てず悪い姿勢になってしまったりします。
姿勢が悪いと、更にいろいろな病気になるリスクが高まりますよね。肥満や、ストレスに弱くなりイライラしやすくなるなど、身体を動かさないことで深刻な問題を引き起こしてしまう危険性があります。
日本体育協会の子供の身体活動ガイドラインでは、「一日に総計して60分以上の運動」を推奨しています。運動といっても構えることはなく、日常生活の中での簡単なことで良いのです。
- 登下校で歩く
- ペットの散歩
- 家事のお手伝い
なども、運動になります。
「総計して一日60分以上」なので、普段あまり身体を動かさないのであれば、週に1~2回は子供を外に連れていって、身体を動かす遊びをするなどの工夫が必要ですね。
子供に与える身体的影響 ③知能
YouTubeなどの動画をしょっちゅう見ている場合、知能の低下に注意しなければなりません。動画のような受動的なコンテンツは、脳の「前頭極皮質」というところのタンパク質の量が多くなり、言語能力が低下してしまう可能性があるといわれています。
動画やテレビなどを長時間、毎日見せていると、子供の言語発達がうまく育たなくなってしまうこともあるのです。
タブレットに依存してしまうと人と会話する機会もなくなって、自分の意見が言えない、人の話が聞けない子になってしまいます。
「子供との会話が短いほど、その子供の言語発達が遅れる」ともいわれているので、できるだけ子供との会話は増やしたいですね。
そして、幼児期の脳が造られていく段階で受動的なコンテンツばかりみていると、「考えるのが苦手な子」になってしまう危険性もあります。
子育ては1日にしてならず…ですね。こちらの記事も参考になりますよ↓
子供に与える身体的影響 ④集中力
子供がタブレットを頻繫に、あるいは長時間使用していた場合の影響には、脱力感、集中力の低下というリスクもあります。
特に寝る前にスマホやタブレットを見ていると、ブルーライトの影響でなかなか寝付けなくなったりします。子供は大人よりも多くの睡眠が必要なため、睡眠不足には気を付けたいですね。
明るい電子端末の光は、眠るときに必要な「メラトニン」というホルモンの生成を阻害することが睡眠科学者によって明らかにされています。メラトニンが少ないと、眠りが浅くなったり、不眠になったりする可能性が高くなってしまうのです。
睡眠障害を引き起こすと、「セロトニン」という脳内の神経伝達物質が減少し、イライラしやすくなったり、集中力が低下したりといったことが起こります。
セロトニンは、気分や感情のコントロールに関わっているので、これが不足するとストレス障害やうつなどを発症する危険性も高まってしまいます。平穏な暮らしを保つためにも「セロトニン」は大事ですね。
このように、睡眠時間の減少は集中力低下や、いろいろな障害につながってしまうので、寝る前は極力画面を見ないように工夫が必要です。
ちなみに、幼児期に動画やテレビを見過ぎてしまうと、「注意欠落障害」になる可能性が高まります。視聴時間が1時間増えるごとに、7歳時点で注意欠落障害が起きる確率が10%上がるというデータもあるのです。
子供に与える精神的影響 ①社会性
動画鑑賞やゲームをしながら2時間以上過ごすと、なんと社会性に悪影響を及ぼす危険性が1.5倍に増えるというデータがあります。
タブレットなどの電子端末に集中しているとあっという間に時間が過ぎてしまいますよね。
データにもあるように、特に脳の発達途中の子供が長時間タブレットやスマホ、テレビに夢中になっていると、何らかの影響は出てきてしまうでしょう。電子端末に夢中になっていれば、当然人とのコミュニケーションはおろそかになります。
生身の人間との直接的なコミュニケーションが減ってしまうと、顔の表情による表現が学べず、相手の表情を通しての感情がわからなかったり、自分もうまく表情を作れず相手に伝えられなかったりと、人とのコミュニケーションに影響が出てしまうんですね。
タブレットなどの電子端末の画面を見る時間が長いほど、他人の気持ちをよみとる力が育ちづらいということが研究で明らかになっていて、特に12歳以下の子供が、電子機器を使って同時にいろいろなことをすることは社会性や情緒的発達に悪い影響を与えることがわかっているのです。
子供の将来を考えると、社会性や感受性の欠けた大人になってしまうのはいろいろリスクが高いですね。そこはほんと気を付けたいところです。
子供に与える精神的影響 ②依存
日本でも海外でも、子供がタブレットに依存してしまったという事例は数々あるようです。
あるお母さんは、電車に乗っている間、子供がおとなしく乗っていられるように、アプリのゲームで遊ばせていました。
子供はそのゲームアプリにすっかりハマってしまい、家に帰ってからも頻繫にアプリを利用しようとしてねだります。端末を渡さないとイライラしだして怒るようになってしまいました。その子はまだ2歳ということですが、早くも依存状態になってしまったのです。
ゲームは人の心理を研究してつくられているので、ハマるようにできています。特にスマホやタブレットなどの端末は常に持ち歩いていることが多く、そこに入っているゲームは手軽にできてしまうため、依存状態になりやすいのでしょう。
海外では、4歳の子供がタブレットのゲームにハマってタブレット中毒になってしまったことが報告されています。タブレットを取り上げると過度に落ち込むようになってしまい、保護者が医師に相談すると、依存状態であることがわかったのです。
このように、タブレットやスマホのゲームアプリにハマって依存状態になってしまった子供はキレやすくなり、攻撃的、暴力的になる傾向があるようです。怖いですね~。
タブレット利用のメリット
タブレットもうまく使えば良い教材になり、子供にとって役立つものになります。
アメリカのとある教育委員会は、教育現場でiPadを使用した場合幼児の学力にどのような影響があるかを調べました。
iPadを使用したグループと使用しないグループにわけて比べたところ、iPadで言語能力を育てるアプリを使ったグループの語彙力が伸びたという結果が出ました。
幼児期の読み書きの能力を育てるのにタブレットなどを利用するのはとても効果的なんですね。好奇心旺盛な子供にとって、知りたい情報をすぐに調べられるということも利点です。
学校に行くようになって本格的に勉強が始まった時も、タブレットなどで手軽にできる勉強から始めると、苦手意識も抑えられて、やりたくないという思いからくるストレスも軽減されるため、勉強の効率も上がるのではないでしょうか。
タブレットの管理は注意しつつ、最近ではゲーム感覚で学習できたり、知育としても良いアプリはたくさんあるので、子供が小さいうちはなるべく依存しないようなアプリを利用したり、時間管理に気を付けたりして、タブレットをうまく使っていけたらいいですね。
タブレット利用の対策おさらい
おさらいです。タブレットはとても手軽で便利ですが、正しい使い方をしなければ、特に小さな子供にとっては様々な影響が出てきてしまいます。悪影響は最小限に抑え、知育アプリなど、楽しく学習できるメリットをうまく活用していきましょう。
各問題点の対策をまとめてみました。
- ブルーライトカットフィルムやアプリ、メガネを使用する
- 適度に話しかけてコミュニケーションをとり、タブレットから目をそらす機会をつくる
- なるべく遠くの景色を見せる
- 家事を手伝わせながら適度に運動させる
- ペットの散歩や買い物に連れていく
- 週に1~2回は公園に行って遊ばせる
- 時間を決めて、親子で一緒にコミュニケーションをとりながら学習教材としてタブレットを使用する
- タブレットばかりに偏らないように、絵本やおもちゃも活用する
- 時間制限機能を利用して使用時間を2時間以内にする
- 人と話す時はタブレットを見ないなど、しつけとして教える
- ゲームは親が先にやってみて、子供にやらせても大丈夫か判断する
他には子供の所有物にさせないことで、子供が使う時間をコントロールしたり、使う場所を決めることも有効ではないでしょうか。
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まとめ
- タブレットは子供にとって面白いおもちゃ
- タブレットによる子供の身体への影響
- タブレットによる子供の精神面への影響
- タブレットを子供が使用するメリット
- タブレットの悪影響を最小限に抑える対策
小さい子供がタブレットを頻回、あるいは長時間使用していると、視力、体力の問題に加え、脳への影響も少なくありません。
簡単なゲームは依存の危険性があり、動画など受動的な情報を長時間浴びているとコミュニケーション能力にも影響してしまいます。
でも、時間やアプリを管理してうまく利用すれば、子供の学力が伸びるなどのメリットもあるので、バランスよくタブレットを取り入れられるといいですね。