直観教授法(メトーデ)とは?民衆教育の父、ペスタロッチの教育思想を知る

ざっくり言うと

    スイスに生まれ、自らが考える理想の教育を生涯追い求めたペスタロッ
    民衆教育の父と呼ばれた彼の教育思想「直観教授法」とは何なのか、一緒に理解していきましょう。

    直観教授法(メトーデ)とは

    さて、今回皆さんが最も知りたい直観教授について一緒に知っていきましょう。これをなくしては彼の人生は語れませんからね。

    ペスタロッチが「直観教授法」に至るまで

     ペスタロッチ年表にもある通り、ペスタロッチは学生時代にフランスの哲学者ルソーの思想を学びました。ルソーというと私が覚えているのは「社会契約論」でした。しかし、同じくらい有名なものが「エミール」であり、この著書の中で示した教育学こそがペスタロッチに大きく影響を与えたのです。

    ルソーは著書「エミール」の中で、子供の個性や考えを重視し、子供たちの発達に合わせて教育を行うことを主張しました。ルソーはこれを「自然の教育」とし、子供たちの心の発達や人格の形成は教育によって築かれると説いたのです。

    これらの考えを学んだペスタロッチ。この考えに自分の考えを掛け合わせていきました。学生時代から、貧しい民衆の子供たちにも教育を受ける場が必要だと感じていた彼は、ルソーの思想を受けてそれを実現させたいと考えたのです。民衆の子供たちにも人格があるからです。

    みか子
    なるほどね。ちょっとずつペスタロッチの考えがわかってきた気がするわ。
    みやび(パパ)
    ぺスタロッチにとってルソーは偉大な先輩なんだな~。先輩というかもはや師匠ですな。

    直観教授を知る

    だんだん皆さんもペスタロッチと心が通じてきたのではないでしょうか。彼の人生や考えを理解してきたところで、いよいよ本題です。まずは、直観教授法がどのように定義されているのか、調べました。

    直観教授
    ちょっかんきょうじゅ
    Anschauungsunterricht

    文字,文章,口述など言語による教授に対して,事物,事象を観察させたり,絵画,標本,模型など事物に代るものを観察させることによって具体的に学習させる教育をいう。古くは J.コメニウスが感覚的実学主義の立場で,教育上直観を重んじ,絵入りの教科書『可感界図示』をつくった。 J.ペスタロッチにいたって,教育における直観の原理は,感覚による実物教授という意味に加えて,道徳的,宗教的な直接経験という意味を含むようになり,単に受容的なものでなく能動的なものと考えられるようになった。
    コトバンク
    みか子
    ん~~イメージがつかみにくいわ。こういう時はみやびくんの出番ね。
    みやび(パパ)
    呼ばれて飛びててじゃじゃじゃじゃーん!こんなこともあろうかと、先週の日曜日に猛烈に調べたんだ。
    みか子
    そんなキャラだったっけ…みやびくん…(心の声)

    みやびくんに説明してもらうこと1時間。ようやく私も皆さんに説明できるくらい理解できました。理解できたことがうれしいので、皆さんにも特別に説明しちゃいますね。

    説明しよう「直観教授」

    物事の知識を五感を通じて教えることを直観教授といい、メトーデとも言われています。

    五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚のことです。

    例えば…
    • 「いちご」について教えるとき

    普通に教えようと思ったら、「赤くて甘い果物だよ~」なんて教えますよね。

    しかし、直観教授法の場合は違うのです。まずは実際に「いちご」を見せて食べてもらいます。甘い、酸っぱい、赤い、ざらざらしている、など五感を通していろいろ感じますよね。ここで感じたものが、その人にとっての「いちご」となるのです。

    言葉で説明するのではなく、その人自身の五感=感覚を使って物事を教えることが直観教授なのです。そしてその直観こそが言語習得の基礎となり、思考力を育むと説きました。

    実際にその物を感じてもらうことから、実物教授ということもあるようです。ついでに覚えておきましょう。

    直観教授法(メトーデ)の特徴

    皆さん、直観教授法がどんなものなのかイメージできましたか?皆さんがわかって下さったと信じて、次のステップに移りましょう。

    ここまで見てくださったということは、かなり教育に興味のあるママやパパも多いのではないでしょうか。そんな思いにお応えして、直観教授法と家庭との関係や、メリットなんかも一緒に模索してみましょう。

    直観教授法と家庭の関係

    直観教授において大切なことは、直観=五感=感覚です。そんな感覚を養う場所のひとつとして、家庭を挙げています。

    ペスタロッチは、著書『白鳥』において生活が陶冶(とうや)するという言葉を残しています。陶冶…私の人生で初めて出てきました、この言葉。

    みやび(パパ)
    ふっふっふ…そう思ってまた調べておきましたよ~奥さん!!
    みか子
    あ、ありがとう…!(今日のそのキャラなに…)

    というわけで、説明しましょう!

    とう‐や〔タウ‐〕【陶冶】

    [名](スル)
     陶器をつくることと、鋳物をつくること。
     人の性質や能力を円満に育て上げること。育成。「人格を陶冶する」

    コトバンク

     意味を見ると、「生活が陶冶する」の場合は2の意味ですね。家庭や学校といった生活そのものが、その子の能力を育んでいくということでしょうか。そう考えると、普段の生活も疎かにはできませんね。私もちょっと見直してみようと思います。

    みやび(パパ)
    ちょっと待って。陶冶の意味はわかったけどさ、なんで家庭での教育に目をつけたんだろう…またわからなくなってきたよ~~
    みか子
    ん~~たしかに。みやびくんに言われなかったら分かった気になるところだったわ。
    みやび(パパ)
    あ~~~!!気になる…気になりすぎる…

    育てるべき3つの能力と自主性

    みやびくんがキャパオーバーになったので、私が責任を持って解説しちゃいます。彼はなぜ、学校だけでなく家庭も教育の場だと考えたのでしょうか。彼は育てるべき子供の能力は3つに分けられると考えました。

    子供の能力
    • 頭=精神力…知能や想像力
    • 心臓=心情力…道徳性や情緒
    • 手=技術力…技術や労働

     ペスタロッチは、これらの能力の発達の手助けをすることこそが教育だと説いたのです。

    みやび(パパ)
    ふむふむ。この能力の発達を助けることが、つまり「陶冶」ってわけか。ここまではわかったぞ。

    さらにペスタロッチは、こう考えました。3つの能力の発達の手助けで大事なのは、子供の自主性を重んじること。そして、直観=五感を通じて手助けすることが重要だということです。

    なんとなくイメージできたでしょうか。直観を通じて手助けするということは、実物を見たり聞いたりすることで感じるものが、教育につながるということですよね。つまり、3つの能力を形成する時期に、家庭で実際に見るもの・聞くもの・感じるものこそが教育につながっているということなのです。

    ここまでくれば、家庭も教育の場であることがわかりますよね。

    みやび(パパ)
    うおーーーー!!なるほど!ここで直観教授とつながるのか!ありがとうママ!女神だ!

    無事にみやびくんも理解してくれたみたいです。私も少しすっきりしました。

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    まとめ

    • ペスタロッチとはスイスの教育実践家である
    • ペスタロッチはルソーの教育に影響を受けた
    • 直観教授とは、五感を通じて物事を教えることである
    • 家庭や保育園での生活が教育の場になり得る

    直観教授の考え方を知るいい機会になりました。皆さんもこれでまたひとつ、教育の知識が増えましたね。家庭の中で私たちがちょっと意識を変えるだけでも、子供にとって学び方が変わる。本当に子育ての方法は無限に広がっていると感じました。

1件のコメント

内容がとてもわかりやすく理解できたのですが背景の暗さのあまりところどころ読めないところがありました直していただけるとありがたいです!教員採用試験の勉強に使いたく、また読みたいので…!