【レッジョ・エミリア】小学校はあるの?レッジョの魅力に世界が注目

モンテッソーリ教育やシュタイナー教育など海外の教育法が、今、日本で話題になっていますが、レッジョ・エミリアもその中の一つです。

様々な教育法があり、どのように子供に成長してほしいか、どのような考え方を持ってほしいか悩んでいる子育て中のママやパパに向けて、レッジョ・エミリアの魅力をご紹介しましょう。

また、日本の小学校でその教育を受けられるのかもお話しいたします。

レッジョ・エミリア・アプローチを実践している小学校はあるの?

結論から申し上げると、ありません。この教育法は、あくまで幼児教育法です。

0歳−6歳児の幼児教育をコアとしていて、1963年にイタリアで最初の公立学校がレッジョ・エミリアに誕生しました。その後、1990年代にアメリカの雑誌で取り上げられ教育界での高評価を得たことから、世界に広がりを見せました

さらには、アメリカのディズニーやあのグーグル本社の付属幼稚園にも取り入れているのです。

日本でも注目を集めてはいますが、レッジョ・エミリア・アプローチを取り入れた幼稚園・学校はいまだに多くはありません。

ですが、イタリアのレッジョ・エミリアでは、多数の小学校でレッジョ・エミリア ・アプローチの特徴である、ドキュメンテーションを行なっている小学校が存在します。

みか子
子供にはのびのびと成長してほしいし、レッジョのような考え方を取り入れた学校に入れたいわよね。

また、日本にはまだまだレッジョ・エミリア・アプローチを実践している幼稚園が多くはありませんが、いくつか紹介いたします。

これらの幼稚園や学園は、完全にレッジョ・エミリア・アプローチに則って運営しているところもあれば、掻い摘んでレッジョの考え方を少し取り入れて運営しているところもあります。

この他にも、レッジョ・エミリア・アプローチを取り入れている学校はありますが、ほとんどがインターナショナルスクールで毎日通う園もあれば、週に数回で月額払いの園もあります。

最近では、インターナショナルスクールにお子さんを通わせ、グローバル化を図っている親御さんもいらっしゃいますので、こちらもおすすめです。

こちらの記事もレッジョ・エミリアの幼児教育について書かれています。

レッジョ・エミリア ・アプローチの特徴

レッジョ・エミリア・アプローチには大きく分けて3つの特徴があります。その3つの特徴を詳しく説明していきます。

特徴その1 プロジェクト活動

プロジェクト活動とは簡単にいうと、自分で考える力や、周りに合わせる力を磨き、数ヶ月〜1年の長期間で子供達・保護者・先生が一体となり掘り下げていく活動です。

例えば、発表会などに向けて出し物を考える際、「何人で」「何を」「どのように」と言ったことを、小グループで話し合うのですが、ここで大切なのは、先生は指示をするのではなく、子供達の中に入り対等に話し合いに参加することです。

そうすることにより、子供たちは「自分で考える能力」や「友達と話し合う」と言うことを覚えるでしょう。

そして話し合った内容を、先生が保護者にも共有し理解を深めます。このプロジェクト活動にはこんなメリットがあります。

  • 自分で考える力が身に付く
  • 周りと合わせる事が身に付く
  • 上2つで、自己主張と相手を尊重する両方を学ぶ事ができる
  • 自分の気持ちをコントロールする力が育つ
  • 研究心が育つ
  • 共同生活の中で自分の役割を見出し理解する事ができる

特徴その2 創造性を育む環境作り

「アトリエリスタ(美術専門家)」「ペタゴジスタ(幼児教育専門家)」という、プロのスタップも参加し、先生と一緒に子供達の創造的活動を支援しています。

共同広場「ピアッツァ」や「アトリエ」と呼ばれる空間があり、楽器やお絵かきグッツなどが用意されていて、それらを自由に使う事ができ、自由に遊びながら、想像力を高めます。

「自由に」というのは、歌を歌ったり楽器を弾いたりしている子がいたり、その横でお絵かきをして遊んでいる子もいます。「今日の自由時間は歌を歌いましょう」ではなく、子供達の意思を尊重し自由に遊べるのです。

さらには、プロジェクターやライトなどを効果的に利用しているのもレッジョ・エミリア・アプローチの特徴です。

こうした環境を作ることにより、子供達の想像力を引き出し独創性をうまく表現できるようサポートしているのでしょう。

さらには、「自由に遊ぶ」と言うことは、「何をして遊ぶか」を自分で考えなければなりません。ここでも、「自分で考える力」が育まれるのです。

特徴その3 ドキュメンテーション

ドキュメンテーションとは、子供や先生の会話などの様子をメモや写真、映像などで記録し、パネルなどの媒体を作り、目に入るところに掲示する活動です。

他の幼稚園や保育所でも、掲示板に作品などを掲示することはあるとは思いますが、レッジョ・エミリアの場合、普段の生活のやり取りを記録し、その記録を掲示します。

この活動によって、先生たちの振り返りはもちろんのこと、子供にとっても、振り返るきっかけとなったり、次の学びに活かす事ができます。

具体的に次の学びとは、同じことを繰り返すのではなく、「前はこんなことしたから、次はこんなことをしよう」と、言うことです。

共通する大切な事

大人(先生や保護者)は常に、子供と対等な存在でなければなりません。大人が子供に教えるのではなく、共同して活動に参加し、同じ目線で感じ、刺激し合う事がとても大切な事です。

これらのことから読み取れることは、子供が小さいうちから「個人」を伸ばすことです。子供が興味のあることを自分で考えさせながら生活させてあげて、可能性を広げていくのが、レッジョ・エミリア・アプローチです。

大人はあくまで、サポートに徹する事が大切です。もちろん、人に対して嫌がらせをしてはいけないなどの教育は、必要です。

国公立小学校をお受験するにはとても良い受験対策になるのでは?

少し話は逸れてしまいますが、国公立小学校のお受験の項目を見てみると、受験に必要なスキルは、レッジョ・エミリア ・アプローチを実践している幼稚園に通った子は全て自然と身についているのではないか?と考えられます。

お受験項目を紹介します。

ペーパーテスト

常識問題や簡単な足し算・引き算、図形問題や言語問題があります。

個別試験

絵の描いてあるカードを見せてお話を作ったり、質問に対して答えるなどを行います。原則受験生と先生と1対1となっています。

運動

基本的な運動能力や、先生の指示をきちんと聞けるかなどが見られます。

行動観察

他の受験生と一緒にゲームやグループ遊びをして、協調性があるか、リーダーシップが取れているかなどの特性を見られます。他にも、挨拶や言葉遣い、態度などの基本的な生活習慣に関する面も見られます。

巧緻性

手先の器用さや、しつけ面を見られます。更には、学校生活において、他の子に迷惑をかけず生活できるか、自分のことは自分でできるかなどが見られます。

お話の記憶

一定の長さのお話を聞き、それについての質問をし記憶力を見る試験です。人も話をしっかり聞けるかが重要です。ことテストはペーパーテストに含まれていることが多いです。

絵の記憶

一枚、または複数の絵をお話の記憶と同様、一定の時間見せ、何が書いてあったか、どこに書いてあったかを聞きます。こちらのテストもペーパーテストに含まれていることが多いです。

以上の試験の内容から、ペーパーテストに関しては、問題集などをやっておく必要はありますが、運動や行動観察、巧緻性の面はレッジョ・エミリア・アプローチにより自然に身につきます。

もし、小学校のお受験を考えているママやパパがいらしたら、レッジョ・エミリア・アプローチを受けられる幼稚園をお勧めします。

レッジョ・エミリアってなに?

レッジョ・エミリアとは、イタリアの町の名前です。

第二次世界大戦後1946年に、教育者・専門家たちが一丸となって、復興のため幼児学校を設立しようとしました。

その活動が、町の名前をとった「レッジョ・エミリア・アプローチ」という、幼児教育法です。

レッジョ・エミリア・アプローチの、創立の立役者となったのが、「ローリス・マラグッツィ(1920–1994)」です。

彼は、最先端の教育理念と発達理念を研究し、その町に合わせた教育法を見つけ、実践し、レッジョ・エミリア・アプローチのリーダー的存在になりました。

そんなリーダー的存在になった彼はこんな言葉を残しています。こちらをご覧ください。

でも、百はある。
子どもには 百とおりある。
子どもには 百のことば
百の手 百の考え 百の考え方 遊び方や話し方
百いつでも百の 聞き方 驚き方、愛し方
歌ったり、理解するのに 百の喜び
発見するのに 百の世界
発明するのに 百の世界
夢見るのに 百の世界がある。
子どもには 百のことばがある
(それからもっともっともっと)
けれど九十九は奪われる。
学校や文化が 頭とからだをバラバラにする。
そして子どもにいう 手を使わずに考えなさい
頭を使わずにやりなさい 話さずに聞きなさい
ふざけずに理解しなさい 愛したり驚いたりは
復活祭とクリスマスだけ。そして子どもにいう
目の前にある世界を発見しなさい 
そして百のうち 九十九を奪ってしまう。
そして子どもにいう 遊びと仕事
現実と空想 科学と想像 空と大地
道理と夢は 一緒にはならないものだと。
つまり 百なんかないという。
子どもはいう でも、百はある。

ローリス・マラグッツィ(訳:田辺敬子)


子どもたちの100の言葉(レッジョ・エミリアの保育実践について)

この言葉はレッジョ教育の哲学とも考えられます。

彼のこの言葉は、とても心に響きます。生まれた時や、教育をされる段階ではまだ、百通りの考え方や、聞き方、愛し方があるのに、大人になる段階で九十九通りを奪われ、一通りの考え方を刷り込まれてしまう。悲しいことだと思いませんか。

ローリス・マグラッツィの「子どもたちの100の言葉』の詳しい情報についてはこちらの商品をお読みください。

レッジョ・エミリア教育についてもっと知りたい方はこちらをどうぞ

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他にも世界にはさまざまな教育法があります。ご参照ください

まとめ

  • レッジョ・エミリアは幼児教育の考え方で小学校はない
  • レッジョ・エミリア・アプローチの特徴は3つあり、共通して大切なことは、大人(先生と保護者)はいつも子供達と対等であること
  • レッジョ・エミリア教育は小学校のお受験の対策になるのではないが、受験に必要な行動観察力などが身に付く
  • イタリアの町、レッジョ・エミリアでは、この教育法の一部を残している

世界が注目している、レッジョ・エミリア・アプローチですが、日本ではまだまだ浸透していないようです。

ですが、その中でも、レッジョ・エミリア教育を取り入れたインターナショナルスクールが存在します。

子供達の個性を伸ばし、未来につなげてみてはいかがでしょう。