ざっくり言うと
- 学力がアップする
- 共感能力が上がる
- 知的好奇心を養える
- 読み聞かせは、学年により選ぶ本が変わってくる
- 読み聞かせは、なんとなく読むのではなく、事前に練習をしてコツをつかんでおくことが大事
- 読み聞かせは、読み手が感情を込めすぎないように注意する
- 子どもの読書習慣には、多くのメリットがある
読み聞かせといえば、子どもが言葉に触れる大切な機会です。家庭であればコツとかほとんど考えないですが、集団が相手となると話は変わります。
特に子どもが小学校に入ると、大勢の前で読み聞かせをする機会が急に訪れたりするのではないでしょうか。
「失敗をして恥をかいたらどうしよう」と不安になりますよね。
そこで、こちらの記事では小学校で読み聞かせをする方を想定して、「本の選び方」「ポイント」「注意点」を中心に読み聞かせのコツをまとめてみました。
ポイント1:盛り上がる本を選ぶ!
小学生の子供をもつ、ご近所のIさんが何やら焦っているようです。
「読み聞かせ」は子供たちにとって本との大切な出会いの場となりますよね。小学校では、教師だけではなく、保護者も読み聞かせを実施しているところがあります。
立候補はもちろんですが、当番制のところもあり「子供が小学校に入学して、思いがけず読み聞かせをすることになった」という事態に直面することがあるのではないでしょうか。
まったく読み聞かせが初めてである保護者にとっては不安だらけですよね。
そこでまず悩むのが、
ではないでしょうか?
小学生とはいっても1〜6年生まであり、読解力や感受性、集中力が学年によって違うので、各学年によってオススメの本は変わってきます。
1.2年生向け
低学年は、内容はもちろんですがリズムだったり、楽しさを重視してオススメの本を選んでみました。
3.4年生向け
中学年になると語彙力も増え、読解力もついてきているので徐々に朗読に入っていくのもいいでしょう。
5.6年生向け
高学年になってくると、読み聞かせをする機会は減ってくるのかもしれませんが、もちろん高学年であっても読み聞かせは十分に楽しんでもらえます。
中学年よりさらに内容の深い物語を読んであげると良いでしょう。
図書館を有効活用しよう
読み聞かせで使うオススメの本を紹介してきましたが、やはり本の種類が多いので迷ってしまいますよね。
その場合は図書館をぜひ有効活用してください。
図書館司書に、「学年」「持ち時間」「どういうイメージの本を探しているか」などを伝えると、条件にあった本を紹介してくれるはずです。
また、図書館で本を借りれば経済的負担も減らせますので、1人でモヤモヤしている場合はぜひ図書館の方にも足を運んでみてください。
ポイント2:読み聞かせ方の工夫!
一つずつ説明していきます。
子供たちに本がしっかり見えるようにしましょう
「子供たちに本がしっかりと見えるように」と聞くと
と思っちゃいますよね。
しかし、読むことに集中していくうちに、どんどん前のめりになってきて、頭や髪の毛で本を隠してしまうことがあります。
こちらは、事前に鏡を見るなどして、どういう姿勢をしていれば相手から本が見えやすいか?をしっかりと確認しておきましょう。
あと、無意識にやってしまいがちなのは、本をグラグラ揺らしてしまうことです。これではせっかく子供が本を見て想像を膨らませたいのに、気が散ってしまいます。
一見当たり前のように思えますが、「相手からどう見えているか?」は常に意識しておくことが大事になってきます。
本がどこで終わるのかをしっかり把握しておきましょう
「話がどこで終わるのかをきちんと知っておく」と聞くと、これまた
と思われるかもしれませんが、意外に大切なところです。
一生懸命読んでいて、ページをめくった瞬間に「あれ、さっきのページで終わってたんだ!」となると、話の締まりが悪くなってしまいます。
最後に「おしまい」と書いてあるならいいですが、特に絵本だと事前に読み込めていないと、ここで終わりだと気づきにくい場合が多いです。
また、終わりを知っておくだけではなく、「次のページにどういうシーンがくるか」をしっかりと把握しておけば、ページをめくる際にうまく間を入れられたりします。
声は子供に聞きやすい音量にしましょう
声が小さすぎて聞こえないのもよくないですが、「聞こえないと嫌だな」と声を大きくしすぎるのも、声が割れてしまって逆に聞きづらくなったり、本の内容によっては子供に恐怖を与えてしまう場合もあります。
一番後ろにいる子供までは聞こえる程度に、聞き取りやすい音量を意識して読み聞かせることが大切になってきます。
「ダメ」「〜しなさい」とは言わないよう気をつけましょう
読み聞かせを始めようとしたら、「その本知ってる!」「読んだことある!」と言われることもあるでしょう。その時に「先を言ったらダメよ」「静かにしなさい」など否定、命令系の言葉は使わないように気をつけましょう。
子供は、命令口調を嫌い、無意識に言われたことと反対のことをしようとする習性があるからです。
例えば「まだ読んだことがない子もいるから、一緒に聞いていこうね」と優しく言うようにしましょう。
時間配分には気をつけましょう
小学校での読み聞かせでは、持ち時間があると思います。しかし、時間配分に注意しておかないと…
ということになってしまいます。
特に時間が合わなかったからといって何か罰則があるわけでもないですし、迷惑ということもないでしょう。しかし、焦って読み方に影響が出てしまうなど起こりえます。
特に緊張すると早口になってしまい、早めに終わってしまう可能性が高くなります。
時間配分をあらかじめ練習で掴んでおくのも大事ですが、慣れないうちは2.3冊準備しておくと安心かもしれません。
練習をしっかりしておくことが大事です
と考えてしまうかもしれませんが、練習をしておかないと「本が見えなかった」「声が聞き取れなかった」など、子供たちにとって無益な時間になりかねません。
それだと、「本の良さを伝える」「想像力、言語能力を身につけてもらう」など、読み聞かせの目的を果たせなくなります。
そこで、事前にしっかりと練習をしておくことが大切になってきますが、やはり客観的に自分を見てもらうことが大事になってきます。
どうしても一人で練習しなくてはいけない場合は、動画を撮影して自分を客観的に見てみるのが良いでしょう。
自分ではできているつもりでも、意外に語尾をはっきり喋れてなくて聞き取りづらくなっていたり、声が小さかったりするものです。
鏡を見ながらの練習も良いですが、はっきりと動画として自分を見てみることをオススメします。
こちらの動画で小学校での読み聞かせのコツについて、詳しく説明してくれています。ぜひこちらもご覧になってみてください。
ポイント3:ここに注意!
読み聞かせ時の注意点なのですが、それはズバリ「感情を込めすぎないこと」です。
ストーリーによっては、楽しかったり、悲しかったりと、感情を強く揺さぶられる場面もたくさん出てくると思います。
読んでいくとついつい感情を込めて声色を変えたり、過剰に演技を入れたくなってきますよね。
しかし、あくまでも主役は子供達であり、子供達は耳にした言葉、目にした絵などから自由に物語をイメージします。
読み手が感情を込めてしまうと、子供達の自由な想像力を狭めてしまうことになります。
子供の想像力を邪魔しないよう、読み手はなるべく「淡々と読んでいく」ことが大切になってきます。
しかし、これはあくまでも基本的な考え方であり、ケースバイケースのことも多々あるので、もう少し細かく見ていきましょう。
子供達の反応をしっかりと見ましょう
小学生とは言っても、小学校低学年と中・高学年ではまた違ってきます。
小学校3年生以上であれば、経験と知識もだいぶ備わってきているので、感情をあまり入れない読み方のほうが、子供の想像力を邪魔しないために適していると言えるでしょう。
しかし、1,2年生など低学年だと、同じような「淡々とした読み方」では言葉の持っている意味や、感情が理解できないこともあります。
小学校低学年であれば、間をしっかりと入れてあげたり、抑揚を大きくしたり、ジェスチャーを入れるなどして、子供たちが想像しやすいようなフォローが必要な場合もあります。
あくまでも学年は目安になりますし、本の内容や、子供達の本に対する関心の持ち具合によっても変わってきます。
ケースバイケースなので、読み手の一方通行ではなく子供たちの反応をしっかりと見ながら読んであげることが大切となってくると言えるでしょう。
読み聞かせ・読書の効果は大きい!
読み聞かせには、まず「子供たちに楽しい時間を過ごしてもらう」という目的があると思います。
ただ、読み聞かせをするからにはやはり、子供たちが本を好きになるきっかけになって欲しいですよね。
自分の読み聞かせをきっかけに読書好きになり、子供たちのその後の長い人生に良い影響を与えられたら、これほどやりがいがあることはないと思います。
「本を読むことはいいことだ」と、何となく頭でわかってはいるけど、「具体的にはどういうメリットがあるのか」をこちらで確認していきましょう。
子供の読書習慣が、将来こんなに役に立つ!
では、具体的にどういうメリットがあるのかを詳しく見ていきましょう。
読書で算数の成績がアップ?
ベネッセが行った調査により、読書量が多い生徒ほど算数の成績も向上しやすいということが分かりました。
読書といえば国語をイメージされると思いますが、算数、理科にかかわらず文章、グラフや資料などをきちんと読んで解釈するのも読解力が必要となります。
読書によって身につけられる「読解力」は全ての学力の基盤となると言えるでしょう。
ベネッセが行った調査のデータはこちらになります。
小学生にとってはかなり先のことにはなってしまいますが、今後の大学入試では「記述式問題」が課せられ、より読解力が求められてきます。
大学入試という枠組みにとどまらず、今後子供たちにとってどういう教育が必要になってくるのかを知っておくのも良いでしょう。
こちらの記事でまとめてありますので、合わせてぜひ読んでみてください。
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読書により思いやりが身につく!
読書をしていると、登場人物に感情移入をして「わかるわかる」と共感したり、「へー、そういう考え方もあるんだ」と新たな視点を得られる経験をよくしますよね。
子供たちも、読み聞かせを聞いている間は物語の世界に入って、想像力を働かせています。
日常生活では、実際に自分で経験できることには限りがありますが、読書をすれば、いろんな人の経験、考え方に触れることができます。
自分だけの視点に立ってものを見るのではなく、読書を通じていろんな人の視点でものを見れるようになれば、人の気持ちを想像できる「思いやり」に繋がってきます。
子供の頃に読書をよくしていた人ほど、大人になってからの社会性が高いという報告もあがっています。
長い人生をより豊かにできる!
医療の発達、栄養状態の改善などにより、これからは人生100年の時代と言われています。
また、AIをはじめとしたテクノロジーの進歩は目をみはるものがあり、長い人生を送る上で、これまでのように学校で学んだ一つのスキルで一生を送ることは難しくなってきます。
そういった、変化の多い、長い人生を送る上では「学び続ける姿勢」というのが今後さらに必要になってくるでしょう。
音声や動画学習などもありますが、やはり学習は本や活字がメインになってきます。
読書習慣により知的好奇心を養い、積極的に学ぼうとする姿勢を身につけることが、長い人生をより豊かにすることにつながっていくと言えます。
読み聞かせをした本はしっかりと紹介しましょう
読み聞かせをして、子どもたちに本の世界を楽しんでもらったあとは「この本は学校の図書館においてありますよ」など、本を紹介することも忘れないでください。
子どもが実際に本を手にするきっかけを作ってあげることが大事です。
まとめ
自分の読み聞かせをきっかけに、子ども達が本を好きになってくれたら嬉しいですよね。
事前の練習でしっかりとコツをつかむことも、もちろん大事ですが、まずは読み聞かせで、子ども達と一緒に本を楽しんでいきましょう。