ざっくり言うと
- 0歳~7歳(第一七年期)・・・からだを育てる
- 7歳~14歳(第二七年期)・・・こころを育てる
- 14歳~21歳(第三七年期)・・・あたまを育てる
「シュタイナー」という言葉を耳にしたことはありますか?
基本的には教育法のことで、「シュタイナー教育」として世界中に知られています。では、それがどんな考え方でどのように運営されているのか、また、北海道にはシュタイナー教育の学校があるのかを紹介します。
シュタイナーって何?
まずはシュタイナーについて、そしてシュタイナー教育とはどんなものなのかについて、触れてみたいと思います。
シュタイナーって?
引用:ヴェレダ
シュタイナーとは人の名前で、20世紀のはじめごろの、オーストリアの哲学者・神秘思想家「ルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)」のことです。
彼は、教育芸術として教育思想とその実践である、ヴァルドルフ教育を提唱し、その教育を日本で紹介する際に名づけられたのがシュタイナー教育です。
彼の考え方の一部を抜粋しました。以下のようになります。
シュタイナー教育では、教育という営みは、子供が「自由な自己決定」を行うことができる「人間」となるための「出産補助」であるという意味で、「一つの芸術」であると考えられている
引用:Wikipedia
独自のシステムで養成された教師により指導され、カリキュラムや授業内容も公的なものとは異なっており、独特の芸術教育が特徴です。さらには、自由教育の象徴とも言われています。
シュタイナーは、人間の成長過程を7年ごとに、3つの段階に分けています。
この第三七年期までを行うために、シュタイナー教育では、幼児部~高等部までの一貫教育を推奨しているのです。さらに、さきほど「授業内容も公的なものと違う」と書きましたが、具体的には、「エポック」と呼ばれる時間があり、その時間のなかで、国語・算数・理科・社会の主要教科の中から1つ選び、選んだものを1週間~3週間学び続けます。こうすることにより、1つの教科への知識がより一層強くなります。
さらに、シュタイナー教育ならではの、特殊な教科もあり、子供たちの個性をより一層伸ばしてくれます。オイリュトミーといって、言葉や音楽のリズムを体を使って表現する芸術運動や、フォルメンという、直線や曲線、幾何学模様などを描かせて指先の訓練をするものなどがあります。
シュタイナーの考え方にテストは必要なく、通信簿には、教科ごとの先生が見たその子の人物や学習に対する姿勢などの観察が記されます。また、授業には教科書を使わず、エポックノートに書き込み、自分なりの教科書を作ります。
大切なのは”自然の素朴さ・温かさ”なので、学校で使われるおもちゃや遊具などは、木や布などの自然のものを基調としており、プラスチックなどの作られたものは避けられていています。
シュタイナー教育はいつ始まった?
シュタイナー教育の歴史は、2019年で100周年を迎えます。およそ100年前にドイツで始まり、シュタイナー教育を推進する学園もドイツが1番に多く、次いでアメリカが多いようです。
日本には、シュタイナー教育が生まれてすぐ入ってきたものの、戦争により影が薄くなってしまいましたが、戦後の1960年代には、改めてシュタイナーの思想が広く紹介されていきました。
1990年代には雑誌クーヨンで取り上げられ「シュタイナー的子育て」と言うコンセプトが多くの母親の心をつかみました。
北海道のシュタイナー学園
日本国内でもシュタイナーという言葉を耳にするようになり、教育活動の広がりをみせていますが、実際シュタイナー教育はどこで受けられるのでしょうか。
シュタイナー教育、日本には7つの学園がある
各都市に1つずつと言う感覚ではありますが、日本には7つのシュタイナーの教育を受けられる学園があります。
ちなみにシュタイナー教育を取り入れた幼稚園は50園にのぼるようですが、学校は7校のみです。
今回は、この7つの学園のなかから1つだけ詳しく紹介させていただきます。
学校法人北海道シュタイナー学園「いずみの学園」
いずみの学園の歴史は、2019年で創立20年とまだまだ新しい学校です。
幼児部・初等部・中等部・高等部と15年一貫教育となっていて、初等部と中等部からなる学校法人北海道シュタイナー学園と、幼児部と高等部学園からなるNPO法人シュタイナースクールいずみの学校の2法人が連携して運営しています。
学校法人取得の関係上、別組織ではありますが、同じシュタイナー教育を基本としています。そのため、入園・入学の説明会も合同で行っております。全校生徒は120人程度の少人数制となっております。
いずみの学校・幼児部のカリキュラムを少しだけ紹介します。
月曜日・1年発酵させた大豆から味噌を作り味噌汁を作ります。週末の家庭のリズムから園のリズムに戻すため、ゆったりとした朝の時間を過ごします。
火曜日・「パンこね」をします。こどもたちそれぞれが形を作りそれを焼き家庭に持って帰ります。
水曜日・オイリュトミーの日です。オイリュトミーとは、言葉と音を身体で表現することです。幼児期にあった歌や詩を使い身体で表現します。
この様に、ゆったりとした1週間でこころとからだ、そしてあたまの成長を促します。
のんびりとした田舎で心穏やかに生徒たちは過ごしています。本州からの移住者も沢山いますが、都会と違って職業の選択肢が少ないので、家族全員でこの町に越してくる家族もいれば、父親だけ都会で単身赴任の選択をする家族もいます。
それぞれ考え方がありますから、より自由な環境で自由な子育て、教育ができればなおのこと良いでしょう。
より詳しい情報はこちらの作品をどうぞ。
Learn to Change the World
2019年には、最初のシュタイナー学校がドイツのシュトゥットガルトで開校して100周年を迎えます。その記念に、世界70ヶ国にある、幼稚園2000、学校(小中高合わせて)1100が手をつなぎ、さまざまな共同プロジェクトやイベントを開催する、「Waldorf100」が始まります。
見出しにあるのは、テーマで「Learn to Change the World”世界を変える学び”」の意味があります。
まとめ
- シュタイナーとはオーストリアの哲学者・神秘思想家「ルドルフ・シュタイナー(1861~1925年)」という人物
- シュタイナー教育で大切にされているのは「自然の素朴さ・温かさ」である
- シュタイナー教育は2019年で100周年を迎える
- 日本には7つのシュタイナー学校がある(補足:50の幼稚園もあります)
- 北海道には「いずみの学園」があり、多くの移住者がおり、それぞれの価値観のもとシュタイナー教育を受けている
- シュタイナー教育100周年にあたりさまざまなイベントが行われる予定である
シュタイナー教育に興味をお持ちの方のお役に立てたでしょうか?
さまざまな教育方法・子育て方法がある中で、悩んでいる方がいれば、ぜひ参考にしていただければと思います。