発達障がい(発達障害)とは?子育てで知っておきたい知識を解説します!

ざっくり言うと

    子育てにおいて、誰しも「うちの子ちょっと〇〇…」と他の子との違いに気づくことがあると思います。そんなときに出会うのが“発達障がい”という言葉ではないでしょうか。

    この記事では難しい定義はさておき、子育てで必要と思われるレベルで発達障害について、障がい者支援のお仕事をしている筆者が解説していきます。

    発達障がいとは?大きく4種類

    発達障害には、大きく以下の4種類があります。

    • 自閉症(ASD):コミュニケーションや社会性の理解、想像力の困難などが特徴
    • アスペルガー症候群:コミュニケーションの障がい、不器用などが特徴
    • 注意欠如・多動性障害(ADHD):不注意、多動性、衝動性が特徴
    • 学習障害(LD):読む、書く、計算するなどの能力に極端な苦手、偏りがあるのが特徴
    • その他の発達障害:チック症、吃音など

    【自閉症(ASD)】

    自閉症(自閉性障害ともいいます)とは、一般的に先天性疾患と言われていて、何らかの要因で脳に障害が起こる発達障害の1つです。脳のどの部分に障害があるのかは、解かりません。
    自閉症は生後に発症する病気ではなく、生まれつきの脳障害であり、3歳ごろまでには何らかの症状が見られると言われてます。性別では、女性よりも男性に症状が現われやすく、症状としては男性よりも女性の方が重くなるとされています。

    コミュニケーション能力が欠けていて、精神と行動が不安定です。
    音に敏感で、大きい音がするとパニックになることもあります。
    自閉症は重度な症状の場合、周りからみると障害とわかります。学校生活や私生活などで、周囲の人からの理解を得られやすくなります。

    しかし軽度な症状の場合、健常者と見た目が変わらないため、自閉症と気が付かれないことが多くあります。症状が軽度の場合は「少しかわっている人」「常識がない人」などという認識にしかされません。

    自閉症の発症率は、500人に1人といわれています。
    軽度の自閉症の人をあわせると、100人に1人とも言われています。とても身近な障がいなのです。
    自閉症の原因については未だにはっきりとした原因がわかりませんが、いくつかの要因があるとされています。

    自閉症の要因
    生物学的な要因
    妊婦の喫煙による要因
    妊婦の喘息やなんらかのアレルギー、皮膚病

    これらの要因が、複雑に作用した結果で、発症するものではないかともいわれています。

    自閉症の3つの大きな特徴

    対人関係の障害

    未発達段階では、視線が合わなかったり呼んでも反応しなかったり他人にまったく関心を示さないといった行動がよく見られます。

    例え

    自分一人で遊んでいることが多い

    遊んであげようとしても喜ばないでかえって嫌がる

    外に出ても1人でいるかのようにマイペースで走って行ってしまう

    このような行動が、よく見られるそうです。

    言葉とコミュニケーションの障害

    言葉の発達が遅れてしまって、なかなか話せなかったり、何か質問しても、オウム返しの様に、こちらと同じ質問を答えたり、話の流れがわからず言葉をそのままにとらえてしまうこともあります。
    話し方の特徴も抑揚なく、ジエスチャーが乏しいこともあります
    意志の伝え方として言葉を使ったり、身振り手振りが上手に使えないことがみうけられます。

    こだわり、興味のかたより、常同運動がある

    常連行動とは
    手をひらひらと目の前でかざして見ていたり、こまのようにくるくる回り始めたり、回るもの(タイヤや扇風機、換気扇など)を好んでじーっと見ていたりなど変わった行動を繰り返すこと

    新しい環境の変化や状況の変化には抵抗を示し、かんしゃくを起こしてしまいます。
    同じもの、服、道順、物の位置などに、とても強いこだわりを持ちます。
    極度の偏食が見られる子どももいます。

    年長さんくらいの子どもによく見られるようになるのが、興味のかたよりがみうけられます。
    物を一列に並べることに集中したり、マークや数字・文字、特定のアニメやコマーシャルに大変興味を示して、そればかりを見たがります。

    その他自閉症の子に共通して見られる行動
    落ち着きがない
    音に敏感
    睡眠時間が短い
    自傷行為

    このような特徴がいくつか当てはまるのであれば、自閉症の可能性があると考えて頂ければいいかと思います。しかし、それが絶対ではありませんので、もしも気になるときは、親の判断で、専門外来を受診して、早期に見つけてあげることが大切です。

    【アスペルガー症候群】

    アスペルガー症候群は、自閉症に関連する行動障害の一種として判断されています

    アスペルガー症候群も基本的に自閉症と同等の特徴がみられますが、自閉症との最大の違いは精神発達遅滞を伴うか伴わないかです。

    アスペルガー症候群の患者において、粗大な言葉の遅れなどを示さないか、場合によっては高い知能指数(IQ)を持ち、その人の嗜好によって、天才的な才能を持っているケースが多いことも、確認されています。

    その興味の対象は極めて狭く、限定的なもので、必要以上に執着するのが特徴です。したがってアスペルガー症候群を持つ子供は、特定の興味対象に関する膨大な情報を、記憶しています。

    でも、その興味対象は、社会的な流行や理解されやすい対象とは異なる場合が多く、アスペルガー症候群の患者は「他人の気持ちを理解」だったり、「非言語コミュニケーションを理解」といったことが、とても苦手となるので、周りの人の理解が得られにくく、小児期において、強い孤立感にさらされやすくなります。

    大人になったアスペルガー症候群患者は、コミュニケーションの特異性と理解される「一方通行の会話」「空気が読めない」「一般常識を身につけない」「あいまいなやり取りができない」などの特徴によって、職場や学校などにおいて適応障害を示す例が多々みうけられることがあります。

    さらに、同時並行的な業務の進行や急な予定の変更も、うまく対応することができないため、一般的なチームワークを要する仕事には、向いていません。

    アスペルガー症候群は元々、女性に比べて4~8倍程度男性に多いとされてきましたが、女性の発症も近年増えています。特に女性の場合は、思春期から成人期にかけて深刻な症状に苦しむケースが多いので、病気に対する周囲の理解が欠かせないということになります。

    みか子
    わたしも同性として、なにかできることはないかしら・・・
    みやびくん(パパ)
    ぼくたちが、理解して、的確に対応することが大事だと思うよ

    【ADHD(注意欠陥・多動性障害)】

    ADHDといっても、大人になってから出現するものではありません。不注意多動性衝動性という3つの症状に、子どもの頃からずっと悩まされてて、多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力していますが、それにもかかわらず、状況が改善せず大人になり、うまく生活することができず困っている人がいます

    では、ADHDはどのような行動をしているのでしょうか?

    • 落ち着きがなく注意を持続する事が難しい、または困難である。
      授業中立ち歩く、または途中でどこかに行ってしまう。

    • 気が散りやすい。集中力が続かない
      与えられた課題の途中で、別のことに手を出してしまう。

    • 失くし物や忘れ物をしやすい
      おもちゃや文具など失くし物や落し物が多い。宿題など忘れ物をすることがよくある。

    • ルールが守れない。
      衝動を抑えることができない。、待つことが苦手で順番を守ることができず、割り込みをしてしまう。

    • 理解できる指示をされても従おうとしない。
      「静かにしてください」と言われても静かにすることができず、おしゃべりを続けてしまう。
      「注目してください」と言われても注目できず、他に関心が移ってしまう。

    • 事前によく考えて行動できない
      物事をぱっと見で判断してしまい、うっかりミスをしてしまうことがよくある。

    ※リストはADHD(注意欠陥多動性障害)の子どもに一般的にみられる行動の一例です。

    引用:LITALICOジュニア

    みやびくん(パパ)
    どのこにも、あてはまりそうにかんじるね。判定は、かなり難しそうだ。

    こういう症状がある人すべてが、ADHDというわけではありません。ADHDに似た症状を示す障害は、他にもあるので、最終的診断をくだすには、他の障害や病気ではないことを確認する必要があります。

    また、ADHDに他の障害や病気が合併していると、ADHDの症状が見極めにくかったり、治療効果や将来に影響を及ぼしたりする可能性があるので、合併症の有無も適切に診断する必要があります。とても判断が難しくなります。

    ADHDの治療は、まず環境調整などの心理社会的治療から始めていきます。心理社会的治療の効果や、周囲との状況から判断して、必要であれば投薬治療を組み合わせていったりします。

    ADHDの子供との接し方5つ
    よく褒めてあげる
    才能を発見してあげる
    順序立てた行動を促す
    不安をかるくしてあげる
    自覚させる

    社会が、ADHDに対して、もっと理解を示すことができる社会になれば、本人も家族も住みやすい場所になると思いました。

    【学習障害(LD)】

    学習障害(LD)は、知的発達に遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。

    LDの特徴

    • 知的発達に遅れはない
    • 特定の能力のみに困難さがある
    • 困難さが長期間続く
    • 適切な指導や支援を受ければ、ある程度改善することができる

    LDの子に対しても「できないことを責めない」「得意なことを伸ばす」「周囲の理解を得る」などを意識して接することで、周りの子たちとそん色なく、むしろ彼らの個性を生かした成長を見守ることができるかもしません。

    その他の発達障がい

    発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のかたよりによる障害です。得意・不得意の差と、その人が過ごす環境や周りの人とのかかわりなどから、社会生活に困難が生じます。発達障害は外見からは分かりずらく、その症状は十人十色、とても分かりずらいです。

    そのため、発達障害の特性を「自分勝手」「わがまま」「困った子」などと捉えられ、「怠けている」「親の育て方が悪い」などと周囲から批判されることも多々あります。

    みやびくん(パパ)
    みかちゃん、うちのきお太は大丈夫?結構わがままだよね?
    みか子
    まだ、はっきりとした確証はないから、様子をうかがってるの。長い目で見てあげないと判定しづらいんですって。

    ですが、その障害の困難さは、環境を整えて、特性に合わせた方法で関わり教育していくことで、軽るくなると言われています。お子さまと周囲の人がその子の個性・能力・希望など理解した上で、その子に合ったサポートをしていくことが大切です。

    まとめ

    「うちの子ちょっと変わっている」=障がいがある とするのは良くありません。

    まずは、子どもの個性、特徴を理解し、彼らが困っていたなら一緒に寄り添い助けてあげて、それでもやはり困難が続く場合には障がいの可能性を疑って医師の助言を仰ぐのはどうでしょうか!

    かわいいわが子と楽しい育児ライフを送ってくださいね(^^♪