ざっくり言うと
- 小学校入学前に学習習慣をつけておくことは、自ら伸びる子になるための土台作り!
- 5つのコツを実践することで、無理なく楽しく学習習慣が身につく!
- 幼児期の習慣づけは一生もの!親もその時間だけは教材と我が子に集中しよう!
親なら誰しも我が子には「自ら伸びる子になってほしい」と願うものではないでしょうか?では「自ら伸びる子」とは、どんな子でしょうか?
様々な研究により、学習習慣と学力との相関関係が明らかになっています。ご自身の経験からも、その結果は納得できるかと思います。
今回は幼児期に学習習慣をつけることのメリットと、そのコツを5つご紹介します。実際にそのコツを意識して実践している我が家の様子も交えながらご紹介しますね。
コツの実践には親の覚悟も少し必要ですが、毎日の歯磨きと同じく、幼児期の習慣は一生ものです。
小学校入学前に「毎日机に向かうのは当たり前」「勉強は大変なものではなく、楽しいもの」という状態をつくっておきましょう!
目次
1.幼児期に学習習慣をつけることのメリット
みなさんはご自身が学生だった頃、自発的に毎日机に向かっていましたか?もちろん「はい!」と自信を持って答えられる人もいれば、そうでない人もいると思います。
兵庫教育大学大学院の大坪健太氏らの研究『子どもの体力および学力の高低と生活習慣との関係』(2021)によると、公立の小学校に通う小学校6年生児童1165名を対象に調査をしたところ「学力に関しては、どれだけ学習するかといった学習量よりも、毎日宿題に取り組むことや、自ら計画を立てて勉強することおよび授業の予習・復習をするといった学習の質が強く影響する可能性が示された」ということです。
学習量よりも、毎日質のよい学習をする習慣が、学力に大きく影響するということですね。
そう、やはりテスト前の詰込み式の勉強方法ではなく、日々の学習習慣がとても大切なんです。昔の自分に言い聞かせたいです(笑)
ではこの学習習慣をいつからつけるのか、ということですが、それは断然幼児期がおすすめ。
理由は『スモールステップで取り組みやすいから』そして『勉強への苦手意識がなくなるから』です。
(1)スモールステップで取り組みやすい
後ほども説明しますが、幼児期の学習習慣定着にはまず、1日5分でもいいから机に向かえばOK!と考えるのがポイント。
そしてその時間は、親も一緒に机に向かうことが大切です。
その子が楽しく集中力が保てる時間に合わせて、1日5分程度なら、親も子も前向きに取り組めそうですよね。取り組む内容も、親子で自由に決めることができます。
しかし、これが小学校入学後となるとどうでしょう。
毎日「しなければならない」宿題があります。量にもよりますが、5分、10分で終わらないことが多いでしょう。
入学後は、マイペースに学習習慣をつけていこう、というよりも、やらざるを得ないという状況になります。
その点、幼児期は1日5分だけでも机に楽しく向かうことができれば…というところからスタートし、少しづつご家庭のペースで進めていけるのでおすすめです。
(2)勉強への苦手意識がなくなる
小学生になってから学習習慣をつけようとすると、どうしてもそのテーマは学校の宿題になりがちです。
ですが幼児期であれば、親子で好きな勉強に取り組めます。 年少児などは鉛筆を持って迷路をするような運筆のプリントに取り組むのもよいでしょうし、今日は足し算、明日は文字、明後日は英語など日によって取り組むものが違ってもよいと思います。
また幼児が楽しく取り組めるように工夫された教材はたくさんありますので、学校の宿題よりも楽しく学習することができるのも幼児期の学習のポイントです。
学習習慣をつけるうえで大切なのは、その学習内容ではなく、まずは毎日机に向かうクセをつけること。そう割り切って楽しくポジティブな気持ちでその時間を過ごすことで、机に向かうことへの抵抗感を減らすことができます。
2.幼児期から学習習慣をつけるコツ5つ
では、実際に幼児期から学習習慣をつけるには、具体的にはどうしたらよいでしょうか。
ここでは我が家の取り組み事例も交えながら、5つのコツを紹介したいと思います。
(1)1日5分でもOK!取り組む量・長さは気にしない
とにかく5分でも机に向かうことができればOKと、特に親の私たちが低いハードルを設定し継続する。これが習慣づけの1番大切なコツだと思っています。
ベストセラーにもなったスティーヴン・ガイズの『小さな習慣』にも書かれているように、習慣づけのポイントは「小さすぎて失敗すらできないことを毎日続けていくこと」です。
小さすぎて失敗すらできない、というのは、例えば「毎日腕立て伏せを1回やる」など。確かに1回なら…となりそうですよね。
子どもの集中力はだいたい「年齢+1分」と言われています。
つい「このプリントを1枚終わらせるまで」など、取り組む内容をベースに考えてしまいがちですが、もしかしたらそれは習慣づけという観点からすると、ちょっと高めのハードルかもしれません。
我が家もはじめは「〇ページはやろう!プリント〇枚はやろう!」などと声をかけていましたが、気が乗らなかったりちょっと難しいと30分以上ダラダラと取り組んだり…。そうすると「今日もやろうよ!」と声をかけても嫌そうな顔をするようになってしまいました。
なので今では私の中で「5分取り組めればOK」として、5分取り組んだ段階で子どもが乗り気でなければ例えプリントが途中でもその日はそれで終わり!それ以上子どもが進める気があるときは、もう少しだけやってみるようにしています。
子ども達もそれなら無理なくできるからか、今では自ら「プリントやるー」と持ってくるようになりました。
1日5分の習慣がついて、「もっとやってもいいかな」と親も子も思えるようになったら、少しづつハードルをあげてみる。
これがマイペースにできるのが幼児期から学習習慣をつけるメリットです。学習内容ではなく、まずは習慣づけに焦点を当てて、小さな習慣から始めてみましょう。
(2)見えるのは筆記用具だけ!机の上を片付ける
次のコツは、とにかくその時間には机の上にプリントやワークと筆記用具だけにする、というもの。
大人でも、散らかったデスクではなかなか仕事に集中できなかったり、仕事中に横にスマホを置いていると、つい通知の確認をしてしまったりしますよね。
子どもはもっと、周りのものに気を取られてしまいがちです。
幼児さんであればリビング学習がメインかと思いますが、リビングの机の上に飲み物や子どもの小さなおもちゃなどがのったままになっていませんか?
我が家ではその時間になると、コップなども全ていったん片付けるようにしています。
また、おもちゃや絵本などが見えない位置に座ってもらうことで、とにかく視界には筆記用具だけ、という環境づくりを心がけています。
目の前のものに集中!ということですね(笑)
ちなみにその時間は、親もスマホは別の場所に置き、目の前の我が子に集中するようにしましょう。
(3)正解したら、ではなく、努力・行動を褒める
私は習慣づけの観点から、ワークやプリントに丸をつけるのをやめました。その代わり、ワークやプリントに取り組んだら「がんばったね!」とシールをあげたり、シールを貼ったカレンダーを見ながら「こんなに毎日続けたね!」などと声をかけるようにしています。
ハーバード大学のローランド・フライヤー氏の研究では、テストや成績表で良い点を取ったら(アウトプット)報酬をあげるグループと、本を読む・宿題をするなどの行為(インプット)に報酬をあげるグループでは、後者のインプットグループのほうが学力が向上したそうです。
我が子にはまず学習習慣をつけてほしい、将来的に学力向上に繋がれば…とお考えなら、ぜひ努力・行動に対して褒めたり、ご褒美をあげることを考えてみてください。
(4)できるだけ決まった時間に机に向かう
4つ目のコツは、机に向かう時間を決めること。単純なことですが、時間を決めておけば、うっかり忘れてしまったということを防ぐことができます。
我が家はおやつを食べる前、と決めているので、おやつ大好きな子ども達は自ら「3時だ!プリントやっておやつ食べる!」と声をかけてくれるようになりました。
今は私が専業主婦になったのでその時間に設定していますが、仕事をしていた時は夕飯前のテレビタイムの前、としていました。
できるなら子ども達が楽しみにしているもの・時間の前に設定するのがオススメです。
共働きだとなかなか時間設定が難しいかと思いますが、習慣づけに5分だけなら、ご家庭に合う時間を見つけられるのではないでしょうか?
(5)遊ぶ時間を十分に取る
最後のコツは、自由に遊ぶ時間を十分に取ることです。
近年、子ども達が遊び足りない、ということが問題視されています。そういった子ども達は幼い頃から成績は良いものの、問題解決能力が高いわけではなかったり、情緒的に少し不安定だったりするそうです。
自由に遊ぶ時間の中で、自らの知的好奇心を満たしたり、創造力を育んだり、社会性を身につけたり…。子どもにとって、決められた枠の外で遊ぶ時間はとても重要です。
学習の習慣づけも大切ですが、なにより幼児期は自由に遊ぶ時間、つまり余白の時間が作れるようにスケジューリングをするのが親の腕の見せどころ。
机に向かうミニマムな時間を最低5分!と捉えておけば、余白時間を作ることは可能かと思います。
共働きのご家庭では「帰宅後にそんな自由遊びの時間なんて…、ましてや学習時間なんて…」と思われるかもしれませんが、自由遊びは必ずしも親が一緒に遊ぶ必要はなく、親が家事をしている間で十分。
毎日5分だけは、一緒に机に向かって取り組む。それなら無理なく取り組めるのではないでしょうか。
3.学習習慣をつけるコツ実践のポイントは?
幼児期から学習習慣をつけるためのコツを5つ紹介しましたが、私がこのコツを実践するにあたり一番大切にしていることは「親も一緒に」ということ。
「プリントやりなさい」ではなく「一緒にやろう」と声をかける。子どもが机に向かっている時間は、親も私もスマホをいじったり片手間ではなく、しっかり一緒に机に向かう。
こう書くと当たり前のことのように思えますが、忙しい毎日の中で子どもとしっかり向き合う時間を取ることは、実はなかなか難しかったりしますよね。
でも「5分だけなら!」と割り切れば、忙しい中でも時間は作れると思います。
またこちらも集中することで、子どもも同じように集中して取り組めたり、学習時間が「お母さんお父さんと一緒に取り組む時間」として子どももポジティブに捉えるようになってくれます。
子どもに学習習慣をつける、というよりは、親子で学習(を見る)習慣をつける、というスタンスで取り組むことがオススメです。
4.まとめ:幼児期に学習習慣をつけ、小学校入学に備えよう!
今回は「自ら伸びる子」になるための土台作りとして、幼児期における学習の習慣づけに関するメリットとそのコツについて紹介しました。
幼児期から学習習慣をつけておくメリットは『スモールステップで取り組みやすいから』そして『勉強への苦手意識がなくなるから』。
また、習慣づけのコツとしては、
・1日5分でもOK!と考え、取り組む量・長さは気にしない
・机の上を片付け、筆記用具だけにする
・正解したら、ではなく、努力・行動を褒める
・できるだけ決まった時間に机に向かう
・遊ぶ時間を十分に取る
という5つ。これを意識しておくと、幼児期からでも学習が生活の一部として習慣づけることができます。
このコツを意識することで、我が家の6歳長男も小学校入学を見据え、学習習慣をつけることができました。
ただし、コツの実践には「親も一緒に」という心構えが大切。家事育児に仕事に…と忙しい中かと思いますが、ぜひ5分だけでも手を止めて、スマホは遠くに置いて、目の前の教材と我が子に集中してみてください。
今はたった5分かもしれませんが、これからの長い将来に繋がる大事な習慣です。ぜひ新生活が始まる前に、親子共に学習という習慣をつけておきましょう。