ざっくり言うと
- 幼児期から公文に通うメリットもあるが、デメリットのほうが多い
- デメリットは「思考力がつかない」「宿題の多さ」「教室による質の差」
- 公文に通うよりおすすめなのは「くもんの幼児ドリル」
日本中でなんと15,800ほどの教室数を誇る公文(くもん)は、就学前から習い事の話題で必ずと言っていいほど名前があがりますよね。
5歳の長男のお友達でも通っている子が多いため口コミや評判も聞きましたが、最終的には1教科の月謝7,700円以上の価値はないと考え、我が子は通わせないという判断をしました。
大学時代に公文でアルバイトをしていた私の感想も含め、私が公文に通わせない理由と、その代わりに取り組んでいることを紹介します。
迷われている方は、ここで紹介するメリットデメリットを頭に入れたうえで、最終的には1週間の無料体験学習を通して決めてみてくださいね!
我が子を公文に通わせない理由
大学時代、家の近くで大学の先輩にあたる方が運営している公文教室で2年ほどアルバイトをしていた私ですが、5歳になる我が子は公文に通わせていませんし、今後も検討するつもりはありません。
ですが、決して2年間嫌々アルバイトをしていたわけではありません。むしろ楽しく働いていました。それに、生徒たちもしっかりレベルアップしていたと感じています。
しかし、私が幼児期からの習い事として公文を検討しない理由は主に3つ。
1つめは、これからの世の中を生きていくにあたって基盤となる「思考力」が身につかないと感じているから。
2つめは、単純に聞こえるかもしれませんが、宿題が多すぎるから。
そして3つめは、教室によって質が大きく異なるから。
3つともアルバイトとして働いていたからこそ、よりデメリットとして感じてしまっている部分です。
今回はこの3つのポイントについてご紹介することで、みなさんの大切なお子様の習い事選びの参考になればと思います。
私が考える公文のデメリット3つ
それでは、私が公文を子どもの習い事として選ばない3つの理由についてご紹介していきます。ちょっと辛口ですが、アルバイトとして公文で働いていた経験からの本音をお伝えしますね。
(1)公文では「思考力」が身につかない!
正直に言います。2年間、アルバイトとしてたくさんの生徒の様子を見ていて、公文式の勉強の仕方では「思考力」は身につかないと私は強く実感しました。
公文式のプリントを見たことはある方はよく分かると思いますが、例えば算数のプリントの場合、例題が最初に載っていて、それに沿った類似問題がひたすら続く…というものです。
各プリントには「何時何分から始め、何時に終わった」と記入する欄があり、かかった時間を記録していきます。
つまり基本的には解き方の枠にはめ、それを徹底的に訓練し、処理スピードをあげていく、というのが公文式。「思考力」が養われないというのは、公文式のやり方を知れば納得できるかと思います。
たしかに処理スピードは上がるし、先取りでどんどん勉強していくので、小学校の算数の時間につまずくことはないでしょう。
実際私の教えていた子達も、みんな学校での成績は良いようで、クラスでも「勉強できる子」という評価を受けていたようです。
しかし、そんな子たちも問題を解いている様子を見ていると、何度も例題を見返したり、何度も同じ間違いを繰り返したり…。問題の本質を『理解』していないことがよく分かりました。
またどんどんプリントを進め、小学生にして中学生やなかには高校生の範囲のプリントにまでたどり着く子もいるのですが、大抵そこでつまづきます。そもそも例題の意味が分からなかったりします。問題の定理が理解できないんですね。
AIに多くの仕事が取って代わられるといわれている時代、人間の武器は公文で養われる「処理能力」ではなく、「思考力」。なので私は、公文にお金をかける必要はないと考えています。
(2)幼児も1日10枚!宿題が多すぎる
もう一つの理由は、公文が出す宿題の多さです。
公文では、教室にいる時間以外にたくさんの宿題がでます。なんと、幼児でも1日両面のプリントが10枚!
たしかに幼児のうちに取り組むものはいくら教材がすすんでいたとしても単純な計算問題なので、1枚にかかる時間はちゃんとやれば3分くらいでしょうか。
が、それはちゃんとやればの話。5歳の子が3分×10枚を毎日続ける、ということを想像してください。
園から帰ってきて疲れて眠い、そしてお腹が空いた、という状況で約30分プリントと格闘する…。もちろん彼らが集中して取り組むわけもなく…。
たかが30分、と思いますが、幼児期の集中力は『年齢プラス1分』と言われています。そう、1日10枚なんて無理な話!
それでもちゃんとプリントをやってくる幼児の子たちもたくさん見てきました。でもその子たち、楽しそうじゃないんですよね。大泣きしながら連れてこられる子や、ちょっとでもつまずくと、シクシク泣き出してしまう子もいました。
またプリントはちゃんとやってきているけど、1枚にものすごく時間がかかっていたり、実施時間(子どもが書けない場合は親が記載)が21時~になっている場合も…。
先生と相談し、1日の宿題の枚数を減らすというやり方をしていたご家庭もありましたが、実は枚数を減らす=1枚あたりの単価があがってしまいます。月謝7,700円÷(1日10枚×30日)で1枚あたり約25円かかっていたところが、1日5枚にしたら倍の約50円。なんだかバカらしいですよね。
幼児期に何か勉強をやらせるとしても1日10分が限界だと思います。そしてその他の時間はしっかり遊んでいっぱい寝たほうがいい。そう思っているので、私は我が子を公文に通わせようとは思っていません。
(3)教室によって質が大きく異なる
そして、最後の理由は教室によって質が大きく異なるという点です。
私が通常アルバイトをしている教室は、教室を運営されている先生が生徒一人ひとりの状況を細かくチェックし、時にアドバイスしたり教材のレベルをあげるかどうかなどを慎重に検討したりしていました。
しかし別の教室へお手伝いに行った際は「公文式は『自学自習』だから」と、生徒が問題につまずいている時も「前のプリントに戻りなさい」というだけでアドバイスしないでください、と言われることもありました。
また教材のレベル検討までアルバイトに任されていました。アルバイトは公文式の教材を深く理解しているわけではないですし、自学自習だからこそ教材レベルをあげるかどうかの判断はかなり難しいと思うのですが…。
私自身アルバイトをしていて、本当にこの教室の差を感じましたので、もし「通わせてみようかな」という場合には、周りの方の口コミなどを聞きながら慎重に判断してもらいたいなと思います。
幼児期は「くもんの幼児ドリル」がおすすめ
散々辛口な意見を述べてきましたが、公文式の勉強が全く意味がないとも思っていません。「処理能力」もある程度必要だと思いますし、小学校へ上がる前にある程度の勉強週間や計算もできたほうがいいと考えています。
そこで私がおすすめしたいのが「くもんの幼児ドリル」。書店やネットで簡単に手に入ります。
なぜおすすめなのか、ポイントを2つ紹介しますね。
(1)「くもんの幼児ドリル」はコスパがいい!
何と言っても1番は、コスパの良さ。1冊あたり税込726円。A4で78ページ=39枚プリントがあるので、プリント1枚あたりの値段は約19円。
くもん教室に通った場合、1日10枚ペースで宿題をしたとして、1枚あたり約25円。1日5枚にしてしまったら、1枚あたり約50円。プリント1枚あたりの単価に大きな差がありますね。
ドリルが安い分、プリント1枚の内容が薄いかと言えば、そんなことはありません。むしろ、いつも教室で幼児さんに渡していたプリントはB5サイズだったのに対し、ドリルはA4サイズなので、1枚あたりの問題量は多め。
コストパフォーマンスという点では、「くもんの幼児ドリル」が圧倒的勝利です。
(2)「くもんの幼児ドリル」なら無理なく続けられる!
さらに「くもんの幼児ドリル」の良いところは、無理なくその子のペースで進められること。A4両面で1枚となっているので、1枚ずつ切り離して、毎日1~2枚を5分ほどで取り組めるようにしています。
ちなみに我が家は「こどもチャレンジ」も契約していますが、そちらのワークだと見開きで1ページなので、やる気があるときにガーっと進めてしばらく放置してしまったりするので、コツコツ毎日取り組むことが難しいんです。
その点「くもんの幼児ドリル」は、親が1枚ずつ切り離して子どもに渡せるので、子どももその1枚に集中できるし、毎日少しずつ取り組むことができます。
公文式学習のポイントは「スモールステップ」や「自学自習の学習習慣を身につけること」。そのポイントを押さえるためにも、毎日コツコツ、はポイントだと思っています。
でもそのために1日10枚の宿題をやらなくてはならない、ということはやはり就学前の幼児にとってはなかなか酷なもの。
ママ友の中には、保育園のお迎えが17時過ぎで、そこから家に帰って夕ご飯までの間に5歳の息子にプリント10枚やらせているという方もいますが「ちょっと目を離すと眠そうにしたりぐずるから、時間計りながら隣に張り付いて鬼のように怒鳴りながらやらせてるよ~」と話していました。
私としてはこれまでのアルバイト経験やママ友の話から「幼児期から公文教室に通ったら、自学自習が嫌になってしまうかも…」と懸念しています。
なので、我が家は「くもんの幼児ドリル」で公文式学習のいいところ取りをさせてもらっています。
まとめ:みんな行くから…はNG!
公文教室でアルバイトしていたにも関わらず、私が5歳の我が子を公文に通わせない理由は、
(1)公文では「思考力」は身につかないと思っているから
(2)幼児には宿題が多すぎるから
(3)教室により質に差があるから
という3つのデメリットを感じているからです。
やはり、これからの世の中を生きていく子ども達には「処理能力」ではなく、AIに取って代わられない「思考力」を身につけてもらいたいなと思いますよね。
しかし、幼児期から少しずつ学習習慣をつけて、小学校に上がった時に授業に置いて行かれないようにはしておきたいもの。そこでおすすめしたいのが公文教室に通わずに自宅で「くもんの幼児ドリル」に取り組むこと。
元公文教室アルバイトとしても「スモールステップ」や「自学自習の学習習慣を」という公文の基本方針には共感しているので、7,700円の月謝を支払うのではなく、約700円という10分の1の金額で、我が子のペースを見ながら取り組んでいきたいと思っています。
「公文、通わせてみようかな」と考えていらっしゃる方は、ぜひ「お友達が行っているから…」という理由で決めるのではなく、メリットデメリットや日々の生活スタイル等をしっかり考えて決めていただきたいなと思います。
また検討の際には教室によって質の差がありますので、一度体験教室へ足を運んでみてくださいね。
大切なお子様の習い事です。その習い事に期待する効果は、果たしてそこへ通わないと身につかないものなのか否か。そんな視点で一度考えてみてはいかがでしょうか?
この記事が皆様のお役に立てたら幸いです。