【STEAM教育インタビュー “Engineering”】エンジニアはお金持ちになれる?CTO武田氏(2)

ざっくり言うと

  • 大学選びは重要?!自分のやりたいことに対して貪欲に研究!
  • 転職→収入UPが当然?皆が知りたいエンジニア業界の実態!
  • 相対的に忙しい?ワークライフバランスを保てるエンジニア!

大学卒業後、エンジニアからスタートし、弱冠33歳にして複数社の会社役員(CTO最高技術責任者)に抜擢され、1児のパパでもある武田慎之介氏が、受けてきた教育やこれからのエンジニアの世界について語る!

<経歴>
富山県出身。筑波大院コンピュータサイエンス専攻修了。在学中よりWeb開発企業を友人と創業。クックパッドに移り、新規事業の立上げや有料会員事業、広告配信基盤の開発。その後、THEO(お金のデザイン)のテックリード、400FのCTOを経て株式会社スタジアムCTO。一番好きな言語はRuby。仕事で積極的に使うのはGoとTypeScript。情報処理安全確保支援士。

受験と学生時代

中学、高校は地元ですか?いわゆる進学校ですか?

中学は付属の学校に通っていました。基本的にはここを出た生徒は県内のトップ3の高校に進学します。私もそのうちの一つの富山県立の進学校に通っていました。

筑波大学を志した理由は何かありますか?

高校に入学してから自分の将来について考え始めていて、その時期にはコンピューター関連の仕事に就こうと思っていました。コンピューター関連の仕事の中心地となるとやはり東京しかないと感じたため、東京近郊の大学に行こうと考えたことがきっかけです。

関東圏の大学に進学するということに、意味はありましたか?同じ大学が地元にあってもそこを受験しますか?

筑波大学はコンピューターサイエンス分野において有名校であり、卒業生に世界的に有名なプログラミング言語を作っている松本行弘という人がいることや、筑波大学は先生一人当たりに対する学生の数が一番少ないため、教育として充実しているため自分のやりたいことに対して方向性が一致していたため目指すことにしました。

大学受験は苦労されましたか。

高校二年生の時に一番成績が悪かったため、勉強に対して努力をしなければならないなと自分の中で感じて、勉強していたころだと思います。志望校に関しては両親にはこだわりがなかったため特に衝突することなく自分で進学先をきめることができたこともあってその点においてはあまり大変ではなかったです。

大学時代の研究を教えてください。また、なぜその研究を行おうと思ったのですか?

自分の興味があった分野はコンピューターサイエンスの中でもネットワークやセキュリティへの関心が強かったのですが、大学の研究室を選ぶタイミングで自分の好きな分野については大学で学ばなかったとしても自主的に学ぶため、研究室でわざわざ学ぶ必要はないと感じました。

そのため、自分の関心がある分野ではなく社会的にニーズが高まっている領域を学ぼうと考え、ヒューマンコンピューターインタラクションというアイフォンなどのタッチデバイスの作り方や、情報を視覚的に理解するためにはどのようなことをすればいいかを研究していました。

具体的に言うとコーヒーであれば色や温度、作られて何分経ったのか、などといった情報を人間が見た後に瞬時に理解するというものはなかなか難しいため、それらをどのように表現すればいいのかを研究していました。

エンジニアの仕事について

一般的にエンジニアの仕事がどのようなものか説明していただければと思います。

エンジニアという仕事はプログラミングが主な仕事内容で、そのなかでもソースコードを書く仕事が主な比重を占めていますが、書いたソースコードをより短くコンパクトなソースコードにするということにかける時間が一番多いと思います。

実際、ソースコードを書く時間は一週間の納期だとしたら八時間で書き終えていて、そのあとにプロジェクトの仲間同士での話し合いや、クライアント側の希望などを聞いての遂行するために割く時間がほとんどを占めていますね。

いつからエンジニアの仕事に興味があったのですか?

大学2~3年生ぐらいの時に考え始めました。そのころからウェブエンジニアに携わる人達で開催されているイベントに自ら参加してみる機会があり、そこで大きな発展を遂げている企業の成長速度がほかの企業よりも早いということを改めて認識したということがきっかけですね。

エンジニアになるために資格を取る必要はありますか?情報処理安全確保支援士という資格を武田さんはお持ちのようですが?

資格は一切要らないのですが、ウェブ系の会社の多くは新卒採用での選考の際に大学でコンピューターデザインなどの関連した学問について学んでいたかどうかは見ていると思います。

転職するキャリアがエンジニアにとっては普通なのでしょうか?

エンジニアには転職する人が多いという印象で基本的には3年で転職するのが目安だと思います。逆に3年以上いたら長くいたと感じるほどですね。

転職を繰り返す中で、1社目から現職までのモチベーションやご自身のスキルや能力の変化について教えていただければと思います。

キャリアの方向性は広がるのではないのかと感じました。

1社目では事業を行う際に自分から発案して行動に移すといったことはできなかったのですが、2社目からは会社にとって良い案を考えて実行に移すといったことも行えるようになりました。3社目である現在の会社では執行役員ということもあり、技術面はもちろん会社全体についても変えられるような立場になれました。

エンジニアが3年で転職する理由として、別の企業に移ることによって給料が100万~200万円単位で上がるからというものが挙げられるのではないかと思います。

目安としてどれぐらい収入が変化しますか?

私が就職したときの額にはなりますが、新卒のエンジニアは年に400~500万円給料をもらっていて3年間同じ企業に勤めた後に別の企業に転職すると600万円~700万円ほどになります。それをもう一度繰り返すと800万円~900万円ぐらいになるといった形がメジャーです。そのため30代前半では800~1,000万円程度稼いでいるひとが多いと思います。

エンジニアの仕事は相対的に忙しいと思いますか?また、ぶっちゃけ儲かる夢のある仕事だと思いますか?

はい、そう思いますね。日本ですら30 代で1,000万円もうけることができるため、海外に目を向けるとそれ以上儲けることができるためそう感じました。

具体例を挙げると、アメリカにおけるコンピューターサイエンスの中心地では新卒ですら2,000万円ほど稼ぐことができますし、実際にアメリカのベイエリアで働いている友人は私よりも三つ年齢が下なのですが5,000万円近く稼いでいるようです。

エンジニアの仕事はワークライフバランスが保ちながら続けられると思いますか?

多くの給料の高い人は”採用労働制”で働いている人が多いと思います。そうなるといつどの時間に働かなければならないなど縛られることがないためワークライフバランスがとりやすい業種だと思います。

子供のお迎えなどに合わせて一時的に仕事を休憩するように自分の裁量で決めることができるためワークライフバランスをとることができると思います。

ありがとうございます。受験や学生時代、エンジニアの仕事についてよくわかりました。
次回は受験やCTOという立場、エンジニア業界の展望、そして、武田氏の考える教育とキャリアの作り方についてお話をお伺いします。