ざっくり言うと
- 宇宙業界の現在、そして未来とは?
- 宇宙業界に興味を持ったら何を磨けばいい?
- 幼少期に一番大事な教育とは?
宇宙の魅力は「未知がたくさんあること」。
JAXAで働く女性はどんな教育を受けてきた?!仕事もプライベートも充実させ、メディアでも注目される中野氏のキャリアとビジョンとは?
慶應義塾大学理工学部卒業。卒業後、JAXAで【フライトディレクタ】を務めつつ、現在は1児の母でもある、中野氏の豊富な経験や働き方への葛藤、これから理系の世界で活躍する人材に必要と思われる素養や能力の磨き方などについて、ぎふと編集部がお話を伺いました。
宇宙業界の展望
実際に就職してみて宇宙業界について何か思うことはありますか?
実際に就職してみたら、きらびやかな世界とは少し違ってちょっとした調整などの地道で泥臭い仕事が多いので、忍耐力が必要だと思いました。
一般的な企業の開発などとは違い、10年などざらにかかるプロジェクトもあり、自分が最後まで携われないこともあるため、やはり忍耐力が必要だと思います。
生まれ変わってもまたこの業界に進みたいと思いますか?
また、今後この業界はどうなっていくと考えますか?
生まれ変わったとしても、人生のどこかで宇宙の写真をみて、この世界に来ると思います。
将来展望に関しては難しい時期だと考えます。なぜかというと、最近は宇宙ステーションの終わりが近づいてきていて、日本の宇宙産業が停滞しないためにどう宇宙産業に乗り出していくか考えなくてはならない、勝負時だと思っているからです。
この分野に興味がある場合、どういうスキルや素質があるとプラスになると思いますか。
宇宙業界も幅広いため、工学系や理系はもちろんありますが法律系も関係していることが多くなっていて(宇宙法など)、いろいろな国が参入していく中でルールを決めていかなければならないという話もあるため、どんな分野でも携われると思います。なので、自分の専門の所を極めることで、宇宙業界には携わることができるのではないかと思います。
幼少期からできそうなことがあればアドバイスお願いします。
化学系に興味があればいろいろな本を読む必要があると思います。自分の経験から言うと科学館に行くことがよくあって、その分野で自分が見たり触ったりする経験をさせることが大切だと思います。自分が理系であるため自分の子供は理系が良いなと思ってしまうのですが(笑)、必ずしも本人がやりたいこととは限らないので、理系に偏りすぎて選択肢が狭まらないようにしてあげるべく、絞りすぎず紹介していくことが大切だと思います。
将来の選択肢を絞っていく時期はどれぐらいがいいと思いますか?
自分の選択が分かれてくる、学部や文理選択を行うときに絞っていくのが一番良いと思います。中学高校で習うことはすべての基礎としてつながる上に、専門的なことを学ぼうと思えば大学でいくらでも学ぶことができるので(たとえば、大学の図書館に行けば好きなだけ知ることができるため)、やはり高校生ぐらいがよいと思います。
中野氏の考える教育とキャリアの作り方
公私ともに10年後のビジョンを教えてください。
プライベートでは3歳の娘がいるのですが、自分が二人兄弟であったということもあってか、もう一人子供が欲しいと思っています。
仕事に関しては、海外への駐在もしてみたいと考えています。また、新型補給機を月に行かせるためにはどのようなところを改善しなければならないかというプロジェクトを成功させたいと思っています。
それ以外にも自分が企画した月への道をかなえる時がきたらいいなと思っています。
これまで受けてきた教育がキャリア形成に役立っていると考えていますか。
とてもそう思います。特に、両親には感謝しなければいけないと思っていて、幼少期の積み重ねがとても今に生きているなと思っています。
幼児期の教育で最も大切なことは何だと考えますか?
毎日少しずつやるということと、一日にたくさんやらせすぎて、嫌にさせないことだと思います。
3回にわたりお話を聞かせていただきありがとうございました。