ざっくり言うと
- 幼児がフルーツジュースを飲むメリットとデメリットを紹介
- フルーツジュースの選び方
- イタリアと日本のフルーツジュースにこんなにも違いがあるのはなぜ?!
生まれてから6歳になるまでの間に急速に発達する赤ちゃんの脳!そしてその脳を育てるには何と言っても食生活が重要です。今回はその中でもフルーツについてお伝えしていきたいと思います。
離乳食が始まった頃からフルーツの種類を徐々に増やして与えていくことが一般的ですが、フルーツジュースはいつから与えていいのか悩んでしまいますよね。今回はフルーツジュースのメリット・デメリットと共に筆者の住んでいるイタリアと日本のフルーツ文化の違いについても触れていきたいと思います。
幼児がフルーツジュースを飲むメリット
生後5,6ヶ月から離乳食がはじまり、それまで母乳もしくはミルクのみだった赤ちゃんの食生活が大きく変わり始めます。初めての味覚にびっくりしすぎない程度に慎重に慎重に食材を選んで…一人目の赤ちゃんをお持ちのママさんはそんな心境なのではないでしょうか。
私自身もそうでした。イタリアに住みながら日本とイタリアの離乳食の進め方の違いに悩み、どれほど調査し先輩ママさんの意見を聞いて回ったことか。それが二人目ともなると…なるがままです!(笑)
とにかく離乳食初期、歯がまだ二本しかなかった娘に少しずつ与えていたのは擦り下ろした洋梨やリンゴ。でもあまり食べてくれなかったので市販の瓶入りのフルーツ100%スムージーなどを与えていました。そうして徐々に生後12か月頃から飲ませていたのが果汁100%ジュース。ただあまりにも色んな種類のものがありすぎて本当に与えていいものか疑問に思っている方も多いはず。
まずはそのメリットから考えてみましょう。
- 硬いものを十分に噛むことのできない赤ちゃんにとってジュースはとても摂取しやすいビタミンやミネラルの宝庫
- 幼児期に急速に発達する脳を助けるためにも、タンパク質とビタミンをバランス良く摂取するのに役立つのがフルーツ
- 果汁に含まれる食物繊維は消化を助け便秘を防ぐことができる
- 甘い味に食欲をそそられ、赤ちゃんの食が進みやすく積極的に食べてくれる
フルーツジュースのデメリット
フルーツジュースには糖分とカロリーが多く含まれています。そのため購入する前にきちんと成分を確認し、うまく選んで買うことがとても重要になります。またフルーツジュースの甘さに惹かれてたくさん飲みたがる子がいますが、一日にどれだけ飲んでいいか決めておく必要があります。
アメリカの小児学会の見解は以下の通りです:
1歳未満:与えるべきではない
1~3歳:一日あたり120ml
4~6歳:一日あたり180mlまで 7~18歳:一日あたり240mlまで
なぜこれほどまでに飲む量が制限されるのか?それにはジュース一本に含まれる砂糖の量が大きく関係しています。フルーツ本来のものである果汁糖も例外ではありません。
砂糖を必要以上に摂取してしまうと以下のようなデメリットが挙げられます。
- 虫歯になりやすくなる
- 肥満は高血圧や糖尿病といった 生活習慣病を引き起こす原因になる
- 砂糖の消化に必要なビタミン B 群やカルシウムなどの栄養素が 不足し、イライラしたり気持ちが沈んだりする
ジュースは小分けのパックを買って、一日一本だけ!と決めておくのがいいかもしれません。私の場合は「これが出来たらジュース」など、ごほうび感覚でジュースをとっておくようにしています。
ここから詳しくフルーツジュースについて二つの分類に分けてみていきましょう。
ジュース選びのポイント
濃縮還元ジュース
「濃縮還元」ジュースとは、搾り取った果汁を、加熱したり、真空状態にしたり、凍結させたりするなどして含まれる水分を飛ばし、ペースト状に濃縮させた後、再び水分を加え元の濃度へと還元させたものを指します。
ペースト状にしたほうが体積が小さくなるので輸送費が抑えられます。「金銭面でも保存の面でも、輸送が楽になる」という製造メーカー側の事情が背景に合って、濃縮還元は行われています。ペーストを還元させる際には、加工工場で水分を加えなおして元の濃度に戻します。
濃縮時には、水分と一緒に風味も損なわれてしまうことから、還元の際には砂糖や香料、添加物を加えるなどして味の調節が行われることもあります。そうして長期保存ができるように加工されているのが濃縮還元ジュースの特徴です。
ストレートジュース
「ストレート」ジュースとは、濃縮・還元作業を行わず、搾り取った果汁を加熱殺菌し、そのまま詰めたものを指します。そのためフルーツ本来の風味を味わえ、無添加なものがほとんどです。また国産のフルーツを使用している割合が多くて安心できる点もあります。
ストレートジュースの難点は輸送コストが高くなり、必然的に販売価格も高くなることです。1リットルのジュースだとすると濃縮還元が200円~300円代、ストレートのジュースは400円~800円と倍のお値段になってしまいます。
また添加物が入っていないので賞味期限が短くなります。
「濃縮還元」も「ストレート」も、加工過程で加熱は同様に行われるため、含まれる栄養素の量には、あまり差はないようです。
ビタミンや食物繊維を重視される方は、ミキサーやスロージューサーで自家製のジュースを作るのがおススメです!
イタリアと日本のジュースの違い
実はイタリアのフルーツジュースは、カルチャーショックを受けたことのひとつなんです!日本でいつも見ていたジュースといえば、りんご・オレンジジュースが100%ジュースの代表。桃やブドウもあるけど果汁は10%以下のイメージです。
それがイタリアに来てびっくり!初めて飲んだときの感想はとーーってもドロドロしています。濃いんです。水で薄めて飲みたいくらい。
そしてフルーツジュース代表格の違いにもびっくり。
イタリアの幼児が飲んでいるジュースのTOP3はこちら:
①洋梨ジュース
②黄桃ジュース
③アプリコットジュース
りんごもオレンジも入っていません。もちろんあるんですが、それよりも甘味の多いフルーツがよく選ばれているようです。
ママさんの口コミからも、洋梨のジュースだけしか飲んでくれない、このメーカーのじゃないとダメだ、などみなさん評判のいいジュースを常に探している模様です。
イタリアはフルーツがとても安く、1kg100円~200円で買えるものが大半です。高いと思われがちな桃であっても、1kgがおおよそ400円、つまり2~3個買って400円というお値段です。
生で食べるのに子供たちに人気のフルーツはベリー系。いちご、ブルーベリー、ラズベリー。そしてバナナは万国共通。
ワインの生まれた国なのでぶどうももちろん、チェリーも2kg買って千円しないようなお値段…フルーツパラダイスなんです。フランスやスペイン、アフリカ大陸や東欧諸国からも近いことで数多くのフルーツが輸入できる利点も背景にあります。
イタリアでは新鮮なフルーツが家庭のお菓子作りなどに使われる機会も多く、小さな頃からフレッシュジュースや果物に慣れていればいるほど、成長してからも好んでフルーツを食す傾向にあることが分かっています。
フルーツがもっと身近な存在になるように
季節によって旬のフルーツが変わるのを一緒に楽しめるように、四つの季節に分けてどんなフルーツがあるのか色塗りしてみるのもいいかもしれません。とてもカラフルなフルーツの存在にウキウキすること間違いなしです。身近にあるフルーツをまずは知るところから始めて、少しずつ味見するのもいいですね。一緒にスーパーマーケットで野菜や果物を見て回るだけでもとってもいい刺激になりますよ。見て触って味見して、五感で楽しむことで脳もたくさん活性化されていきます。
フルーツがみなさんにとってもっと身近な存在になりますように!